なかなか潤わない頑固な乾燥肌。化粧水を補っても全然潤う感じがしない…。付けたその時はしっとりしても、しばらく時間が経つとまたカサカサしてきて粉をふく。秋冬になるとこんな肌状態に悩まされている人も多いのではないでしょうか?乳液やクリームなどの油分で無理矢理しっとりさせることは出来ても、所詮それは一時的なもので、それでは乾燥肌の根本的な解決にはなっていません。
私の経験談で恐縮ですが、20代後半あたりから年々乾燥しやすくなってきているのを実感しています。私の場合は特に鼻や頬の乾燥がひどく、カサカサして赤くなるのはもちろんですが、まるで日焼けの後のように皮がむけて、触ると粉のようにポロポロ落ちます。それが気になっていたので皮がむけ切るほどゴシゴシ洗顔したら、もっとひどくなりました(笑)
それから乾燥肌の根本的なケアを始めましたが、辿り着いたのが化粧水。乾燥肌に適した化粧水とはどんなタイプでしょうか。また、どんなスキンケア成分が配合されているものでしょうか?
乾燥肌とは?
乾燥肌の症状は軽いものから深刻なものまで様々です。
- 肌がカサカサする。
- 白っぽくなる、粉をふく、触るとフケのようにポロポロ落ちる。
- かゆみがある。
- 赤くなりヒリヒリする。
- インナードライ。
見た目や触ってみて乾燥している状態なので、ほとんどのケースで乾燥肌かどうか容易に判断できるかと思います。なかでも、顔は特に皮膚が薄いため、乾燥肌になりやすいとされています。肌にかゆみがあったり赤くヒリヒリするのは肌荒れや敏感肌の状態、つまり軽い皮膚炎をおこしているので単なる乾燥肌よりも深刻な状態と言えます。
また、インナードライというのは男性に多く、一見すると普通肌や脂性肌のようにしっとりと潤っているように見えても、それは表面的な脂分があるだけで、実は肌内部の保水量が少ない乾燥肌のことです。一見して分かりづらいですが、洗顔後の肌状態で判断できます。
ところで、お肌が乾燥しやすい人としにくい人…その違いはどこにあるのでしょうか。体質や生活習慣なども含め原因は様々ですが、結局のところ…「肌の保湿力が弱い」ということです。保湿力、つまり水分をお肌の内部に抱え込む力です。スポンジをイメージすると分かりやすいかもしれませんね。この力が働いていなければ、いくら何を補っても、外に向かって水分はどんどん蒸発していまいます。
乾燥肌には角層の水分不足に着目したスキンケアを
化粧水に求める役割も、ただ単に水分を補えばいいというわけではなく、弱っている肌本来の保湿力をサポートしてもらわなければなりません。成分それ自体に水分を抱え込む性質があり、優れた保湿力のある成分ですね。まずはそんな乾燥肌におすすめの保湿成分をご紹介します。
そして次に、乾燥肌そのものの改善にアプローチする成分。その場しのぎの保湿ではなく、お肌そのものの保湿力を高めていく効果が期待されているものです。これは、元々お肌の内部に存在している天然の保湿成分を増やす働きが期待できます。以上2つを意識して化粧水を選んでみましょう。
角層は、肌の一番表面にあたるわずか0.02㎜の薄い層。でも、それが肌のバリア機能を大きく左右する美肌のカギとなっています。この層は、細胞が水分と油分を挟み込んでお互いに密着し、肌にすき間が開かないように守っています。細胞の密着度が高いと、表面がなめらかでキメの整ったスベスベの肌になります。
肌にすき間が開かないということは、内部の水分も逃げにくいということ。角層の状態の良い肌はしっとり・もっちり・なめらか・スベスベ…。そんなお肌は外部からの刺激にも強く、ニキビ・肌荒れ・乾燥による皮むけ・シミなども発生しづらいと言われています。
角層は、スキンケアの効果が一番現れやすいところです。そこより奥になってくると正直コスメの力だけではどうにもならないことがあって、肌質やホルモンや食事の影響なんかが深く関わってくるのですが…「角層」はお手入れ次第で状態の改善が望めます。
そんな美肌に重要な「角層の潤い」に注目し、水分の補給とともに乱れた角層のすき間を埋めて密着させる成分を補い、角層の状態の安定した「毎日調子の良いお肌」を目指す化粧水を選びましょう。
健やかで自ら潤える角層を育てるには、細胞間脂質やアミノ酸などの天然保湿因子を補い、乾燥や紫外線によるダメージから守る抗酸化力のある成分をケアに取り入れるのが効果的と言われます。
油分を避けたい人はオイルカット処方を選ぶ
過剰な油分が酸化すると肌のトラブルや劣化を招く恐れがあるという理論に基づき、「オイルカット処方」にこだわっているメーカーがあります。たしかに、オイルのベタつく感じは苦手!という人も多いですよね。ニキビのできやすい人や脂性肌の人はとくに「保湿はしたいけど油分はなるべく控えたい」と望む人も多いです。
でも…油分をカットして保湿力は大丈夫?水分が逃げちゃうのでは?と少し不安になりますよね。とくに乾燥肌の人には不安です。ですが、油分の代わりに水分を逃がさないための成分が含まれています。それが、「糖脂質」。「脂」という字はついているものの、いわゆる脂肪分とは別物で、「脂質」は生体中の水に溶けない性質の物質を指す言葉です。
糖脂質は、その名の通り糖が結びついた脂質ですが、周囲の水分を引き寄せてつかまえる働きがあります。水分を引き寄せると粘り気を持ち、細胞のすき間を埋めるノリのような役割を果たすことができます。
オイルカットはある程度皮脂量のある人向け
糖脂質の保水力を利用した化粧水は、乾燥肌の人にも使えます。私自身超のつく乾燥肌ですが、20代の頃に気に入って使っていました。その代わり、状態に応じて表面にはスクワランオイルなどを併用したりすることもありました。
ただ、それでもやはりそれなりに皮脂量がある人に向いているかな?とは思います。表面はカサカサの場合でも、30代半ば頃までは内部からけっこうな量の皮脂が分泌されるので、そこに上手く合うと乾燥肌でも「ちゃんと潤う!ベタつかなくて気持ちいい!」という良い保湿効果の実感を得ることができます。
肌質や状態には個人差があるので、40代以降でも水分や皮脂量の豊富な人なら大丈夫。実際、知り合いの人は40歳を過ぎても使用中。シワやシミもほとんど無い羨ましい美肌の持ち主です。あれは天性のものと思いますが。
反対に、年齢とともに乾燥がひどくなってきた…という人には、糖脂質の保湿では不十分かもしれません。それから、これまで油分たっぷりのスキンケアをしてきたという人は、若い人でも自分の皮脂が出にくくなっていることがあります。その場合は、使い始めかなり乾燥して感じるかもしれません。
使い続けるうちに自分の皮脂が出るようになって状態が良くなった…という人もいるようですが、最初は無理をせず、フタのオイルやクリームだけは使いながら少しずつ様子を見て切り替えたり、自分の肌状態に合わせてのお試しをおすすめします。
保湿力の高いスキンケア成分が配合されている化粧水
乾燥肌・敏感肌対策の重要なキーワードは「バリア」。お肌の天然バリアには、内部からの水分を逃がさずうるおいを守る働きと、外部の刺激や侵入からお肌を保護する働きがあります。そんなバリアは、細胞、水分、細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂などがそれぞれの役割で層を織りなし、見事な連携プレーで強固なバリア構造の働きを保っているのです。
けれど、その強さは人によって様々。バリア構造がとてもしっかりとした人もいれば、もろく崩れやすい人もいます。バリアの働きが弱いお肌は水分を十分に保てず、外部からの刺激は受けやすくなります。そしてカサカサ・かゆかゆの乾燥性敏感肌に…刺激に反応したお肌は外敵と戦うために炎症反応をおこし、赤みやブツブツがおこる場合もあります。
そんな状態のお肌をケアするためには、弱くなった天然のバリア構造の働きを助け、仮のバリアをつくってくれるような成分を補うこと。そのためのものが、様々な保湿成分や化粧品用の油脂を配合したローション・クリームなどのコスメです。
特別に敏感肌ではなく、普段は普通に化粧水が使えていても、肌荒れがおきるとしみたりして使いづらいという人もいますよね。そんな時は、浸透力が低く、バリア力の高い化粧水があると便利です。
化粧水の場合は油分をほとんど含んでいないので、皮脂の多い脂性の人が高保湿な敏感肌用を使ったとしても問題はありません。セラミド、水溶性コラーゲン、ベントナイトなどを使ったとろみのある感じで、お肌の表面を優しくつつむようなタイプの化粧水になります。
このようなタイプだと、肌荒れがあるときにも刺激になりづらく、心地よく使うことができます。普段使い用と敏感肌用の両方を用意して、肌荒れがあるときのレスキュー役として敏感肌用を使用するのもおすすめです。
お肌のバリア構造を支えるのは、細胞間脂質や皮脂などの天然油脂。水分を逃がさず保湿し、外部からのベールとなってお肌を優しく保護する働きです。中でも、セラミドという細胞間脂質は重要で、セラミド量の少ない人はお肌にトラブルがおきやすいことが指摘されています。
セラミド
乾燥肌の人におすすめの化粧品成分としてよくあげられるセラミド。これは人間の肌にもともと存在している物質で、肌バリア機能を形成しています。具体的には、角質層の水分を逃がさないようにするためのもので、脂質なのに水と結合し、水分を抱え込める性質があります。
セラミドの量がどの程度かによってお肌の潤い保持力は大きく変わると言われています。肌が潤っている状態というのは、いわば肌のバリア機能が高い状態で、外部の刺激から皮膚を保護するという役割があります。
深刻な乾燥肌の人ほどセラミド量が不足している場合が多く、肌のバリア機能も著しく低下しています。つまり肌荒れにつながりやすいと言えます。化粧水でセラミドを取り入れても、お肌自体のセラミド量を増やせるわけではありませんが、角質層内で優れた保湿力を発揮し、化粧水で補った水分を逃がしにくくする保湿成分として働きます。
一口にセラミドと言ってもその種類が色々とあります。中でも、「ヒト型セラミド」と呼ばれるものは、人間のセラミドと同じような構造のため、肌馴染みがよく、保湿力に優れていると言われています。
成分表示には、「セラミド1」のように数字が後ろに表記されます。保湿力としては、セラミド1、2、3、6が高いとされています。ただ、配合量や処方によっても変わってきますので、「セラミド」が配合されていればどれもさほど変わりはありません。
ライスパワーNO.11
ライスパワーNO.11は、お肌内部のセラミド産生を司る細胞組織に働きかける成分です。その名の通り、お米由来で特殊な発酵過程によって得られるエキスです。セラミドを外から補うのとは違い、お肌自体のセラミド量を増やす効果が期待されています。
この成分は、その効果効能が認められた薬用成分です。今ある乾燥をケアしながら、乾燥肌の根本原因の1つであるセラミド量の減少にアプローチするため、根本から乾燥肌を改善したい人におすすめです。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、不安定な形状のビタミンCを、化粧品に配合できる形に変えたものです。美白や肌をなめらかにする働きがあるとされ、美白化粧水に含まれるイメージが強い成分ですが、最近は低分子化してお肌の奥に浸透し、コラーゲンの生成を促す役割として配合されている場合があります。
コラーゲンそのものをお肌に補うのとは異なり、お肌内部のコラーゲンを増やすことが期待されるとして、乾燥肌の人にもすすめられています。ただ、ビタミンCには皮脂を抑える働きもあるため、そのあたりを考慮して、保湿対策を重視したつくりのものを選ぶようにしましょう。美白メインでビタミンC誘導体を配合してあるものは、乾燥がしやすくなることがあります。
ヒアルロン酸
こちらも、高い保水力を誇る代表成分です。たった1gで6ℓもの水分を抱え込むことができ、プルプルの状態になります。セラミド同様に、元々私たちのお肌や体の組織に存在している物質ですが、年齢とともに減少してしまいます。
と言っても、やはり化粧水で体内のヒアルロン酸が増やせるというわけではありません。反対に、だからこそ、毎日化粧水で補ってあげる必要があります。角質層内でとどまって水を吸ってふくらみ、ハリやうるおいのあるお肌を助けてくれる成分です。
セラミドに比較すると原料費が安く、安い化粧水にも含まれているのも嬉しいところです。
低分子コラーゲン
コラーゲンも、ヒアルロン酸などと同じ、元々体内のあちこちに含まれる成分です。お肌のハリや弾力、潤い保持にも大きく関わる物質です。化粧水に配合された場合は保湿成分として働きますが、高分子のものは肌表面をおおうような感じになります。
それはそれで、表面からの乾燥を防ぐ意味では効果が期待されますが、角質層内部にまで届かせたいときは、低分子のコラーゲンを選びましょう。角質層内部で水分を保持し、ふっくらと潤ったお肌を保ちます。
グリセリン・PG
古くからある超定番の保湿成分としては、グリセリン、PG(プロピレングリコール)などの糖アルコール類があります。吸湿性があり、蒸発しにくい性質を持ちます。
セラミドやヒアルロン酸、その他の新しい成分におされてすっかり影がうすくなっていますが、多くの化粧品に使用されています。これらの保湿成分だけを使ったシンプルなつくりのものの方が、使ったときのしっとり感は上に感じることがあります。
ただ、大気が乾燥しているときには保湿力が低下するので、油分の豊富な乳液やクリームなどと合わせて使うことがすすめられています。
肌荒れがひどい場合はシンプルケア
- 乾燥対策のスキンケアをしても潤いが持続しない
- 汚れているわけではないのに毛穴が目立つ
- 乾燥しているわりに日中にはテカリが気になる
- カサつかず潤いの続く肌
- キメが整いふっくらと毛穴の目立たない肌
- 水分と皮脂のバランスがとれ、テカリの気にならない肌
肌荒れをおこしやすい人は、複雑な処方の化粧水を使うと、かえって肌荒れを招きやすくなる場合もあります。肌荒れは原因も複雑なため、シンプルな処方の方が向いていることも多いようです。これ以外でも、ごくシンプルに保湿だけを目的とした化粧水はたくさんあります。
価格帯もお手ごろなので、化粧水選びが迷走してきたら、1回超シンプルなところに戻ってみるのもいいかもしれません。なお、肌断食というシンプルな美容法が流行っているように、肌状態を一度リセットしてみるのもおすすめです。
ヘパリン類似物質配合の薬用ローション
普段は普通の化粧水が問題なく使えている場合でも、肌荒れがおきてしまったときには何となくピリピリしみる感じがする…という人も多いのではないでしょうか?そんなときに便利なのが、ヘパリン類似物質という成分が配合された薬用ローションです。
へパリン類似物質は、病院の治療にも使われる成分ですが、保湿の他、炎症をおさえ患部の血行を促進し、ダメージを修復する働きがあります。医薬品となりますので、化粧品には配合されていません。普通の乾燥肌用化粧水ではどうにもならない、粉をふくほどひどい乾燥でかゆみなどもある人の場合は、化粧品の保湿成分より、薬に使われるヘパリン類似物質を使用した保湿剤が効くことがあります。
クリームの形状が一般的ですが、ローションタイプもあります。基本は皮膚科のお医者さんに処方してもらいますが、最近はドラッグストアで購入できる大衆医薬品も登場しています。ヘパリン類似物質は、お肌の壊れたバリア機能を回復させ、新陳代謝を促して細胞を正常化する働きがあります。さらに、かいてしまったことで傷つき炎症のおこっている部分をしずめてくれます。
病院で処方してもらえば保険適応になり、ドラックストアで購入してもさほど高価なものではありません。これまで、どんな化粧水を試しても乾燥が改善されなかった人や、表面が荒れて化粧水がしみてしまうような人にはおすすめです。
ただ、血液を固まりにくくする作用があるので、表面に傷があって出血している場合などには使えないことがあります。初めて使う人は、お医者さんか薬剤師さんに相談してください。
乾燥肌が原因の肌荒れに適した化粧水
- いつも肌が深刻に乾燥している、粉をふく
- ちょっとした刺激でお肌が赤くなる
- 化粧水がしみるような感覚がある
- 色白、皮膚が薄い、キメが細かい人に多い
まず、お肌が元々敏感で、外気の変化や刺激にすぐ反応し、表面がガサガサになったり赤くなったりしてしまう状態です。深刻な乾燥肌もこれに含まれます。この場合は、とにかくバリア機能が弱ってしまっているため、バリア機能を補うセラミドやセラミド類似成分を配合した化粧水を使用しましょう。
現在使用中の化粧水がしみるようなら、できるだけ優しい使い心地の敏感肌・乾燥肌用の化粧水や、皮膚科で処方してもらう保湿剤などに切り替えるのがおすすめです。それでもしみてしまうときは、化粧水の使用自体を控えてワセリンで保護し、お肌の状態が落ち着くまで様子を見るか、病院で相談をしましょう。
皮脂が原因の肌荒れに適した化粧水
- おでこや鼻の周辺などの皮脂の多い部分が荒れる
- 頭皮の皮がむけたりブツブツができたりする
- 全体的に皮脂量が多いタイプ
- 強いかゆみがともなうことがある
皮脂の周辺は細菌が繁殖しやすいため、皮脂の多い部分が特別荒れやすい場合があります。頭皮も荒れやすかったり、強いかゆみがともなったりという場合は「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という皮膚病の可能性もあります。
かゆみや荒れがひどい場合は治療が必要なので、皮膚科に相談しましょう。皮脂が原因の肌荒れに最適な化粧水は、皮脂のコントロール力のあるビタミンC誘導体配合の化粧水や、抗炎症作用のあるグリチルリチン酸(植物のカンゾウに含まれる成分)、ヨクイニンエキスなどが入った化粧水がおすすめです。
皮脂が多いと言っても水分が足りて肌がしっとりしているというわけではないので、保湿は重要です。保湿と皮脂へのアプローチを兼ね備えた化粧水を選びましょう。
皮脂を抑える働きのある化粧水は、アルコール(エタノール)使用のものが多く、長期間使用すると乾燥がひどくなってしまうことがあるので注意しましょう。アルコールは特別に皮脂の多い部分や昼間の化粧崩れが気になるときに、限定して使用するのがおすすめです。
また、皮脂過剰による肌荒れは、洗顔をきちんとして清潔さを保つことも大切です。栄養たっぷりのクリームは、細菌のエサとなってしまうことがあるので注意しましょう。
乾燥肌対策の化粧水の使い方
乾燥肌の人は、ただペタペタと化粧水を塗ってもなかなか潤いません。コットンや手を使ってペチペチとパッティングするような使い方も、お肌に刺激を与えて乾燥を悪化させてしまう恐れがあります。
化粧水は手に取って、優しく成分を押し込むように、ていねいになじませるのが効果的です。意外と忘れがちなのが、鼻や口周りの細かい部分です。手を上手く使って、全体がしっとりした感じになるまで重ね付けをしましょう。
一口に乾燥肌と言ってもその状態は様々なので、どの成分がお肌に合うかどうかは異なりますが、化粧水を付けるとき、じっくりていねいに行うだけでもだいぶ保湿効果が違ってきます。
また、洗顔の時点で洗顔料が強すぎたり、冷たすぎる水やぬるま湯以上のお湯で洗ったりしていると、どんな化粧水を使っても乾燥が改善されないことがあります。
肌荒れ状態で化粧水を使うときの注意
お肌が荒れやすいと、化粧水も何を選ぼうかな…と迷ってしまいますよね。肌荒れは状態によって適した化粧水が違うので、そのときの自分のお肌に応じ、複数使い分けるのがポイントです。
使う種類や使い方を誤ると更なる悪化を招き、せっかくのスキンケアが逆効果になってしまうこともあるので、まずは自分の肌荒れ状態をチェックしてみることから始めてみましょう。
化粧水が原因で肌荒れすることも
自分の肌荒れが化粧水によるものかどうかをチェックするには、洗顔後、化粧水をつけず、お肌を保護するワセリンかスクワランオイルだけをつけて様子を見ます。他の化粧品をあれこれつけてしまうと、何が原因なのかがよくわからなくなるので、普段使っているクリームなどではなく、一番シンプルなワセリンか純度の高いスクワランオイルがおすすめです。
洗顔後にワセリンやスクワランオイルもつけずに放置すると、外気の影響をまともに受けてしまい、その刺激で肌荒れがおこる可能性があるので、保護だけはしてから様子を見ましょう。もし無ければ、代わりに乳液やクリームのどちらかを薄く付けます。
できれば、1日予定を入れず、紫外線にあたらず、家に引きこもれるときに行うのがおすすめですが、無理な場合は夜間の洗顔後に試してください。その状態で1日過ごす、または朝を迎え、お肌の調子がいつもよりいいと感じたら…普段の化粧水がお肌に合っていない可能性があります。
化粧水は、お肌のバリア機能がしっかりしているときに使えば、お肌の強い味方です。けれど、バリア機能が弱ったお肌には、水分の多い化粧水が一番の刺激となる場合があります。
揺らぎやすいお肌の人は、そのときによって化粧水が合ったり合わなかったりするので、一時的な肌荒れなら、お肌が不安定なときだけは化粧水を抜き、保護だけのスキンケアにしてみるという方法がおすすめです。
ですが、慢性的に肌荒れしていて、化粧水を抜いたら明らかにお肌が改善されたという場合、使用している化粧水そのものが合っていないかもしれません。そのときは、別の化粧水を探してみましょう。
炎症や傷があるときは化粧水を控える
お肌が赤くなって熱を持っていたり、赤く腫れたできものがあったり、ヒリヒリしてかゆみがあるときは、化粧水の使用を控え、ワセリンで保護をして鎮まるのを待ちましょう。目に見えるようなかき傷などの外傷があるときも同様です。
いつまで経っても赤みがひかないときには、皮膚科を受診した方が安心です。専門の病院やクリニックで、炎症や傷があるときに使える医薬品の保湿剤(皮膚炎用)を処方してもらえますので、そちらを使うのがおすすめです。状態が落ち着いたら、化粧水を再開するようにしましょう。
化粧水だけのお手入れで放置するのはNG
どのような状態であっても、化粧水だけを使用したお手入れはNGです。化粧水だけを付けて放置すると、化粧水の蒸発によってお肌の水分が奪われ、よけい肌荒れがしやすい状態になる恐れがあります。
化粧水の後には、乳液、クリーム、オイルなど油性のものでフタをしましょう。油分でフタをするのはスキンケアの基本です。肌荒れがひどく何も使用したくないときは、ワセリンを使って油膜保護だけはしておきましょう。
乾燥肌の化粧水まとめ
乾燥肌はごくごく身近な肌トラブルのひとつです。程度にもよりますが、30代にもなれば男女問わずほとんどの人が乾燥肌と言えるほど。20代の若い人でも、秋冬などの季節に肌がカサカサして水分が少ない状態を感じたら乾燥肌の始まりかもしれません。
若い頃こそセラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分に満たされたお肌ですが、年齢と共にそれらがどんどん減少して乾燥肌となっていきます。そのため、それらの保湿成分を化粧水で補うことが乾燥肌対策に有効な手段と言えます。
化粧水は基礎化粧品の中でも一番最初に肌に付ける、いわばスキンケアの基本中の基本。ぜひこだわって選んで下さいね。