化粧水は基礎化粧品の中でベースとなるもの。だからこそ正しい使い方を理解しておく必要があります。ちょっとしたコツで肌は確実に変化しますので、自分のお肌に効果的な使い方も見直してみましょう。
この記事では、化粧水の使い方についての全般知識、手とコットン、パッティング、化粧パックなど、より浸透させるための付け方もご紹介します。
化粧水を使うタイミングはいつ?
メイクを落として化粧水を使うのなら、夜寝る前と朝、どちらが正しいのでしょうか?答えは、洗顔した直後に必ず使うというのがベストとなります。メイクを落とさず寝るというのはあまり無いでしょうし、朝の洗顔は水だけという人もいるかもしれませんね。
「皮脂を落とすようなことをしたら、必ず最後は化粧水で締めくくる。」というのが肌に一番良く、これが化粧水の正しい使い方です。くれぐれも、洗顔もせずに保湿目的だけで化粧水を使うようなことは避けたいものです。
メークが終れば、その表面には表層の様に皮膚に蓋がされています。従って、以降は肌が荒れる心配はむしろ少なくなります。もちろんこれには化粧水の品質も影響しますが。
そして一日が終わって帰宅したら、化粧を落とすために様々な洗顔料や専用のメイク落としを使いますよね。その時にまた化粧水を使うわけですが、そのタイミングは肌を洗浄した直後。肌を洗って乾燥してからでは時すでに遅し。なるべく早くに化粧水で皮膚の弱酸性を取り戻しましょう。
お風呂上りに使う場合
お風呂上りで化粧水を使う、そんな人はきっと多いのではないでしょうか?全身を洗うと皮膚表面の皮脂が剥がれ、その時は水分でふっくらして見えます。でも、お湯による洗顔後でよく体験するように、直ぐに蒸発して素肌の油脂も奪われて急速に乾燥していきます。
お風呂はお湯を使うので水分補給しているように感じますが、入浴自体は素肌にとってストレスなんです。肌以外では全身温まって血行が良くなるという良い面もあります。言ってみれば、「体を洗うこと自体が肌にとってはダメージ」なんですね。もちろん汚れを落とすことは必要です。
皮脂が失われるということは、肌の表面がアルカリ性に傾きやすくなります。なので、バスタイムが長い人はお風呂場に化粧水を持ち込んで、洗顔したらすぐに顔だけでも化粧水を使うのがおすすめです。
化粧水を浸透させるには時間と量が必要
お化粧の前にまずは洗顔、そして化粧水、保湿に乳液と来て、いよいよベースメイクとなります。しかし、洗顔後の素肌は化粧水をつけても弱酸性に戻るまでにはそれなりの時間がかかります。
直ぐに乳液などで覆っては、皮膚の被膜を作る時間がありません。しっかり浸透するまで数分間は置きたいものです。でもさすがに朝はそんな余裕などは無いでしょうから、その場合の化粧水は「たっぷりの量」が重要となります。
お風呂でこんな体験をしたことはありませんか?長く湯船に浸かりすぎて皮膚がふやけてしまう状態。ここから分かるのは、皮膚に水分や養分が行き渡るのは時間と量が大事だという事です。
「化粧水は浴びるように付けるのが効果的」というのはまさにそういうことですね。肌が吸収できる飽和量は決まっていますので、付け過ぎになることはありません。なのでお化粧の前には、化粧水を浸透させるための時間をとる、たっぷりの量を使うようにしましょう。
いつもの化粧水がしみる…そんなときは?
敏感肌の人に関わらず、ホルモンやストレスの影響も受ける女性の肌は揺らぎやすくてとてもデリケートです。普段と同じ化粧水のはずなのに何だかしみる、全然浸透しないなんてときもありますよね。
そんなときは無理をせず化粧水をやめて、表面を保護するクリームだけをつけて様子をみてみましょう。とくに美白成分などの入った化粧水は刺激になりやすいので、保湿成分だけが入ったシンプルなものと2種類用意して、日によって使い分けるのもおすすめです。
1日化粧水をやめたことでかえって肌が安定し、次の日の吸収が良くなることも。また、年齢による変化や体調にともない、それまでの化粧水が急に合わなくなることもめずらしくはありません。微妙な肌からの信号をキャッチし、自分の肌状態に合わせたケアを楽しんでみましょう。
- 肌が健康で丈夫なとき→美白ケアや積極的なアンチエイジングケアが可能
- 肌が弱っているとき、敏感なとき→守りの保湿重視のケアがおすすめ
化粧水は水分が多く、お肌にダイレクトに入りやすいものです。お肌が弱っているときに高機能で浸透力の高いものは、負担になりやすいと言われています。
化粧水の付け方
- 化粧水をコットンに染み込ませてトントン。
- 手に取ってペチャペチャと付ける。
この化粧水の使い方は、実はあまり効果が無いってことをご存知ですか?これではどんなに高価な化粧水を使っても効果は薄いです。
化粧水の正しい使い方の一例はこちら。
- 化粧水を手に取ったら、手の中で皮膚の温度になるように温め、手のひらで顔全体を包むように抑える様にピタッと付けます。
- 手のひらの水分で吸い付きが感じられなくなるまで、そのままにしておきます。
手やコットンは清潔な状態で
どれほど優れた化粧水も、汚れた手やコットンでつけてしまったら、せっかくの洗顔も台無しになってしまいます。とくに主婦の方で忙しいと、化粧水をつける前に色々なものを触ってしまうこともあるので注意しましょう。
化粧水の保存に注意する
無添加をうたっている化粧水ほど、成分が不安定です。防腐剤がしっかりしている商品であっても、日光が直接あたる場所、高温になりやすい場所、湿気の強い場所では変質の可能性があります。大切な顔につけるものという感覚を忘れず、保存場所に注意しましょう。
お肌の状態を確かめながらつける
洗顔後最初につける化粧水は、その日のお肌のバロメーターになります。今日は化粧水の浸透が悪い、少し刺激を感じるなど、お肌の反応を確かめながらつけてみましょう。自分のお肌への感性を高めておくと、自分に合わせたスキンケア方法や商品が選びやすくなります。
化粧水の後は油性のものを補う
化粧水は水分がメインなので、それだけではすぐに蒸発してしまいます。化粧水をつけただけの状態で放置してしまうと、何もつけずにいるときよりお肌の水分が奪われやすくなることがあります。化粧水の後は、油性の混じった乳液やクリームを使用しましょう。
これでメイクの下には弱酸性の健康的な皮膚が保たれることになります。肌の白さやきめの細かい皮膚を目指し、化粧水を効果的に使ってお肌を蘇らせましょう!
手とコットン、どちらで付けるのが正解?
化粧水、手とコットンのどちらで付けていますか?
- コットンでたくさんパッティングした方がいい
- パッティングは無意味だから止めた方がいい
- 手が一番いい
- いや、やはりコットンの方が…
このように、専門家と呼ばれる人たちの間でも、様々に意見が分かれています。化粧水を付けるとき、手を使うかコットンを使うかは悩みどころ。手で付けるのがベスト!と言われることもあれば、コットンを使ってパッティングしましょう!と言われることもあります。
結局どれが正解?…先に言っちゃいますが、実はどれも正解なんだと思います。無難過ぎてつまらないかもしれませんが…。というのは、どちらもメリットとデメリットがあるからです。自分の肌質や使う化粧水の種類、化粧水に求めている役割などにより、『使い分けるのがいい』…ということになりそうです。
拭き取りを目的とした化粧水の場合はコットンですが、コットンはどれだけ優しい繊維であっても肌の刺激にはなります。コットンを使うときには、コットンから水滴がしたたるくらいにつけた方がいいと言われているので、高価な化粧水には向いていません。
基本的には化粧水の製品に書かれた使用法に従うのが一番ですが、手とコットンのどちらでもいいと書かれているときは、肌の強い人はコットン、肌の弱い人には手で付ける人が多いようです。
コットンのメリットは、たくさんの化粧水を効率よく細かい部分にもつけやすいこと、デメリットは肌の刺激になりやすいことです。手のメリットは、体温で温めて成分を浸透させられることと肌に優しいこと、デメリットはしっかり全体に付けるのが難しいことです。
化粧水の中でもトロミのあるものは手で付ける前提で作られているものが多いので、自分の肌質や使用感にあわせて選ぶのがおすすめです。
手で付ける
メリット
- 自分のお肌の調子を確かめながら付けられる
- 手の温もりで浸透をアップさせられる
- お肌に余分な刺激を与えずに済む
デメリット
- 付けムラが出やすい
- 手や爪が汚れていると雑菌がつきやすい
コットンで付ける
メリット
- 化粧水を均等に付けやすい
- 清潔さを保ちやすい
- お肌の汚れ残りチェックができる
- 部分使いやお肌の鎮静化がしやすい
- 化粧水パックにも使える
デメリット
- コットンを用意する必要がある
- お肌の刺激になりやすい
- 化粧水をたっぷり含ませる必要がある
- コットンの毛が付着することも
このように、それぞれにいい面と悪い面があります。これらをトータルして、手とコットンが向いているシーンを簡単にまとめてみました。
手が向いているシーン
- 高保湿を目的としているとき
- 化粧水の浸透度をアップさせたいとき
- お肌の弱い人、弱っているとき
- お肌の状態を確かめたいとき
- とろみ化粧水を使うとき
- お肌に余分な刺激を与えたくないとき
手を使うときは、手や爪を清潔にしておくこと。
コットンが向いているシーン
- お肌の引き締めや鎮静を目的としているとき
- 部分使いをしたいとき
- 手ではどうしてもムラが出てしまう人
- コットン使用が向いている化粧水を使うとき
- 化粧水パックをしたいとき
- お肌の汚れチェックをしたいとき
- 手が汚れているとき
コットンを使うときは、化粧水を十分に含ませ、絶対にお肌をこすらないようにすること。
化粧水に求める2種類の役割
まず、手かコットンかという話のときに確かめておきたいのが、化粧水にどのような役割を求めているかということです。化粧水に求める役割の一番は、やはり保湿ですよね。そしてもう1つ、お肌の引き締め(弱酸性に戻す)というものもあります。
どちらも大切なんですが、このどちらをより重視しているかによって、手がいいかコットンがいいかというのは違ってきます。肌質や使用する商品によって臨機応変にする必要はあると思いますが、基本的には、
- 保湿→手
- 引き締め→コットン
このように分けることができそうです。
パッティングはした方がいい?
一時期は年齢の倍はパッティングをした方がいいというのが主流になっていましたが、最近はそれに異論をとなえる声も多くなっています。結局はどちらがいいの?という話ですが、これも肌質や肌の状態によって異なります。
パッティングは肌を適度に刺激し活性化する働きもありますが、それは肌の機能が正常に保たれ、バリアがしっかりしている人の場合です。弱った肌をペチペチと何度もたたいてしまえば、かえって肌の負担になります。
肌が疲れているな、調子が良くないなというときは、手にとった化粧水を肌の上に置き、優しくおさえるようにしてなじます方がしっとりとします。肌がしっかりとしていて調子のいいときは、パッティングによって肌を活性化させ、血行を促す効果が期待できます。
その場合も、激しく刺激はせず、コットンか手に取った化粧水を優しくなじませるように、肌を押す感じでパッティングしましょう。その日の肌状態にあわせ、臨機応変なやり方をおすすめします。
コットンによるパッティングの意味
コットンによる化粧水のパッティング法を最初に打ち出したのは、化粧品メーカー最大手の資生堂と言われています。そもそも、コットン自体、資生堂が最初に作ったものです。そして、資生堂側がすすめているパッティング法は、「肌を引き締めるための化粧水の使用方法」です。
皮脂をおさえて毛穴を目立たなくするための収れん化粧水。もしくは、収れん作用の含まれた一般化粧水。これらを使う際、年齢によりたるんだり外気温によって緩んだりした毛穴を引き締めるため、コットンで風をおくるようにして十分にパッティングしましょう!とすすめられるようになりました。
コットンでパタパタと風をおくりながらお肌に化粧水をなじませることで、皮膚温度が下がります。皮膚温度が下がると皮脂の分泌が抑えられ、毛穴は引き締まって小さくなります。
パッティングによる刺激でさらに引き締め効果は上がるので、お肌や毛穴の引き締め、皮脂やテカリを抑えるという面では、コットンでのパッティング法が優れているということになりそうです。
手 or コットンの議論
化粧水を手で付ける人もいればコットンを使ってパッティングする人もいるかと思います。化粧水をお肌に効果的に浸透させるためにはどれが正解なのか?を検証しました。
「年齢が上がるほどたくさんパッティングをした方がいい」というのは、年齢が上がるとそれだけお肌がたるむので、引きしめ効果を上げたいなら十分にパッティングしましょう、という意味。…だったようですが、この言葉が一人歩きして、「化粧水はコットンでたくさんパッティングをして付けるべき」のような情報が流れました。
そしてそれに対し、「コットンでパッティングをすると肌が痛み、そうしたからといって保湿効果が上がるわけではないから無意味だ。化粧水は絶対手で付けるべき」と、コットンを批判する意見が出始めました。
そこから延々と続く「手 or コットン」の議論。しかし、そもそもコットンによるパッティングは、「肌の引き締め」を目的にした方法だったので、化粧水全般を必ずコットンで付けろと押していたわけではありません。「うちの商品は、コットンでのパッティングが効果的なように作られていますよ」という、メーカー側のアピールに過ぎなかったのだと思います。
また、商品のテクスチャーで言えば、例えばとろみ化粧水か水のようなバシャバシャした化粧水かでも話は変わってくると思います。それを「白か黒か」「正解か不正解か」で区切ろうとするのは無理があり、結局は目的や肌質や商品の特徴によって使い分けるのが一番いいということになりそうです。
乳液の上から使うタイプの化粧水はコットン推奨
資生堂と同じく、コーセーなど他メーカーの商品でも、コットンでの使用を推奨する化粧水があります。それは、乳液の上から使うタイプの化粧水です。他メーカーでも同じようなものがあります。このような化粧水の場合も、手で付けると乳液がはじいて上手くなじまないので、コットンで付ける方が向いているようです。
そのように、商品の特質上、コットンで付けた方が明らかに向いているものがあるようですので、そういう化粧水を使う際には、メーカー側の使用法に沿うのが一番かなと思います。ただ、使うコットンはパッティングに適したものをおすすめします。
資生堂などでは、コットンの毛羽立ちを抑えるために、原料から仕入れ先、製造方法にまでとことんこだわって、肌当たりの優しいコットンに仕上げているようですので、それを使用した上ですすめられる方法…ということになりそうです。
引き締め化粧水でも手で付けた方がいい場合も
とはいえ、引き締め用の化粧水は、必ずコットンで付けた方がいいかというと、そういうわけでもありません。それはあくまでも、メーカーや商品により…ということです。最近の毛穴・皮脂対策の引き締め化粧水は、かつてのものと構造が全く違う商品もあり、「手で優しくなじませましょう」と書かれている場合も多くなっています。
お肌の敏感な人が引き締め用の化粧水を使いたいときには、そのような商品を選ぶといいと思います。
絶対に手で付けた方がいいタイプの化粧水
コットンで付けることを推奨する化粧水は、主に引き締め目的のものが中心です。一方、絶対に手で付けてくださいとすすめている化粧水もあります。それらの目的は主に高保湿。敏感肌や乾燥肌の人向け、もしくは乾燥の深刻になって弱った年齢肌の人向けの化粧水が中心です。
テクスチャーにとろみがあり、コットンにあまり浸透しないタイプの化粧水は、絶対に手で付けた方が優れています。それらの化粧水では、少量ずつ手に取り、上から手で優しくおさえてハンドプレスをする感覚で丁寧になじませる方法がすすめられています。
敏感肌の人は手がおすすめ
どのような化粧水を付ける場合でも、お肌の敏感な人は手で付ける方がおすすめです。いくら肌あたりの優しいコットンとはいえ、敏感肌には刺激となってしまう可能性があるので、手で少しずつゆっくりとなじませるようにしましょう。
ただ、そのときは、手や爪が清潔な状態で行うようにしましょう。パッティング法がすすめられているような化粧水は、健康な肌の人向けです。お肌の敏感な人やトラブルのあるときには、その商品の使用自体を控えた方がいいのではと思います。
どちらでもいいタイプの場合も基本は手で付けるのがおすすめ
化粧水の使用法に、「コットンまたは手に取り…」と書かれているものの場合、迷いますよね。そんなときは、自分のお肌や生活状態と相談して決めてみましょう。基本的には、まずは手で付けてみることがおすすめです。手で自分のお肌を触りながら化粧水を使うことで、その日の肌状態がよくわかるからです。
今日は浸透が悪いから乾燥ぎみ…それなら量を増やしてみようとか、導入美容液やパックを試してみようとか、自分であれこれ対応がしやすくなります。それに、コットンによる余分な刺激を避けることができます。
ただ、主婦などで忙しく、洗顔後の綺麗な手で化粧水を付けている余裕がない!なんてときはコットンがあると便利です。コットンが向いているのは、先にも書いたように夏場などにお肌の引き締めをしたいとき。
暑くて毛穴が開き、皮脂が多くて化粧がのらない!そんなときは、コットンにたっぷり付けた収れん作用のある化粧水をパタパタと、肌がひんやりするくらいまでにするとお肌が整います。
また、化粧水を部分使いしたいときや、角質除去後や脱毛後のほてったお肌を落ち着かせたいときなどには、コットンの方が優れています。その際にはお肌をこすらないように、化粧水を十分にしみこませたコットンをソッとお肌に置くような感覚で使いましょう。
たまにコットンを使ってみると…
普段は絶対に手で付けている!という人も、たまにコットンを使ってみると、意外にお肌が汚れている場合があることに気が付けるかもしれません。汚れ落とし専用の拭き取り化粧水もありますが、それを使用していない場合でも、普段の化粧水をコットンにたっぷり含ませ、洗顔直後のお肌をソッとなでてみてください。
「あれ?ちゃんと洗顔したはずなのに、コットンに汚れが…」なんてことがおこるかもしれません。コットンの利点は、お肌の汚れチェックができることです。
引き締め目的や拭き取り目的の化粧水以外は、基本的に手で付けた方がお肌の状態もわかりやすく、余分な刺激を与えずにすみます。でもたまにコットンを使ってみると、洗顔方法を見直すきっかけにもなります。
コットンをペタペタ…化粧水パックのやり方と効果
化粧水パック(コットンパック)は普段の基礎化粧にひと手間加えるだけでスキンケア効果がアップ!化粧水パックのやり方と効果、注意点やアレンジ方法をご紹介します。
- お肌の乾燥がひどいとき
- 小ジワや毛穴の開きが気になるとき
…こんな時は化粧水をただ付けるだけでなく、コットンやシートマスクを使った化粧水パックでお肌が整うことがあります。効果を簡単に言えば、肌に化粧水がより浸透しやすくなると言ったところですね。いつもの基礎化粧にひと手間加えるだけで、手軽にスキンケア効果がアップするのでおすすめと言えます。
ただ、やり方を間違ってしまうと逆効果になり、向いていない化粧水もあるので注意が必要です。ここでは、化粧水パック(コットンパック)の基本方法、注意点、効果、ちょっとしたアレンジ技などをご紹介します。
化粧水パックに必要なもの
まず、用意するものはこちらです。
- コットン or 市販のシートマスク
- 化粧水(普段使いのもの or 化粧水パック用に別途用意)
- 水
※水を使わず、化粧水を直接コットンやシートマスクに含ませてもOK。ただしその場合は十分に全体が湿る量を使うこと。※水を使うと化粧水の使用量を抑えられ、また、人によっては水を使った方が肌あたりが柔らかく感じる場合があります。
水は塩素が気にならなければ水道水で可。塩素の気になる人やお肌の弱い人は薬局で売っている精製水(100円程度からあります)を準備しましょう。
化粧水パックの基本手順
- コットン(厚手のものは2~3枚に裂いて薄くする)か市販のシートマスクを水で湿らせ、軽く絞る。
- その後化粧水を染み込ませる。
- 出来上がった化粧水パックを、顔全体(呼吸穴は開ける)または気になる部分にのせ、数分置く。
- 終わったら普段通りに美容液、乳液、クリームなどを使ってお手入れを完了させる。
※化粧水パックは洗顔後の清潔なお肌で行いましょう。特に入浴後がおすすめです。
パックに向いている化粧水の種類
化粧水パックで選ぶ化粧水には、いくつか注意点があります。
肌に慣れている化粧水を使う
化粧水パックは普通に使うよりもお肌に成分が浸透します。肌に慣れていない化粧水や肌に合わない化粧水でパックするとトラブルがおこる可能性もあります。化粧水パック用に化粧水を別途用意する場合は、ある程度日常使いして肌に慣らしておきましょう。
引き締めやピーリング目的や高機能の化粧水は避ける
使う化粧水は定番の保湿化粧水がおすすめです。引き締めやピーリング効果を同時に狙ったような化粧水を使うと、乾燥がすすんでしまう恐れがあるので避けましょう。アルコールを多く含むサッパリ系の化粧水も向いていません。
また、保湿以外の要素が強い高機能化粧水、成分や仕様が特殊な化粧水などは、商品の使用法通りに使ってこそ効果を発揮するものなので、これらも化粧水パック向きでは無いと思います。
例えば、高濃度ビタミンC、レチノール、ハイドロキノンなど、肌の刺激になりやすい強い成分を含んだもの、冷蔵保存が必要な不安定なものも避けた方が安心です。
化粧水パックにおすすめの化粧水
せっかく化粧水パックをするなら、肌に効果的な成分は欠かせません。おすすめなのは、美容皮膚科医が開発した肌に理想的な化粧水。肌の再生を促すEGF・FGF・IGFをはじめ、セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなど、肌に理想的な成分が贅沢に配合されています。
パックに向いているコットンの種類
化粧水パックで使用するのは、コットンか市販されている顔型のシートマスクです。ティッシュを使う人もいるようですが、化粧品メーカーや皮膚科医はそれをすすめていません。
コットンを使う場合、できるだけ毛羽立ちが少ないものを選びましょう。周囲が縫われてふっくらしたコットンではなく、何枚かに裂けるシンプルなタイプが使いやすいです。
顔全体のパックはシートマスクか大判コットンがおすすめ
化粧水パック用に、顔の横幅ほどもある大きな専用コットンも売られています。小さなコットンをチマチマ顔に貼ると、半端なく面倒で水分が蒸発しやすい難点もあります。市販のシートマスクは、ギュッと小さく固めたようになっていて、水分を含むと広がる仕組みのものもあって便利です。
目元や口元だけに使うなら小さなコットンや専用シートが便利
目周りや口周りに使いやすい小さなタイプもあります。化粧水や美容液でのパック用に作られているのでやりやすさが違います。目の下はカーブがついた専用シートタイプが使いやすくておすすめです。
ヒアルロン酸シートパックは目周りの小ジワや乾燥に効果的と言われています。ヒアルロン酸の針(特許技術)で肌に直接浸透させることができる専用シートタイプなので、目元部分の集中ケアとしておすすめです。
化粧水パックを控える時
- 肌荒れしているとき
- 乾燥がひどすぎるとき
- 敏感肌のとき
肌荒れ、重度の乾燥、敏感肌のときは、お肌のバリア機能がかなり弱っています。その状態で化粧水を浸透させるとお肌の負担になりやすいので、化粧水パックは行わない方が良いでしょう。
化粧水パックを行う頻度は?
お肌が健康な状態なら、毎日行っても問題はないそうです。ただ、お肌が荒れやすい人や濃厚な化粧水を使用している人は、毎日するとかえってお肌の負担に感じることがあります。最近の化粧水は高性能で、手で塗るだけで十分に浸透する仕組みのものも多くなっています。
特別に化粧水パックというやり方にこだわらず、自分のお肌と相談しながら、必要を感じたときに行うのがおすすめです。
化粧水パックを行うときの注意点
化粧水パックは、やり方を誤ると逆効果になる可能性があります。以下のポイントに注意して行いましょう。
清潔な状態で行う
汚れたコットンやシートマスクを使ってしまうと、せっかくの洗顔が台無しになってしまい、放置している間に雑菌が繁殖しやすくなります。パック中に他の用事をして手が汚れてしまったときにも注意です。また、一度はがしたパックは再利用せずに捨てましょう。
放置時間は数分を目安に
化粧水パックを顔にのせて放置するのは数分程度が適当です。これ以上になると、化粧水の蒸発によってお肌の水分が持っていかれてしまいます。水っぽい化粧水を使うとき、お肌が乾燥しやすい人は1~3分が目安。
濃厚な化粧水を使うとき、お肌が健康な人なら5~6分が妥当と言われています。お肌の状態を見ながら、長くても10分までに留めておきましょう。
部分使いする時は他の部分の保湿に注意
目元や口元だけにパックをするときは、その他の部分の保湿は先に済ませておきましょう。最初に顔全体に化粧水を塗り、集中ケアしたい部分にパックを貼った後、他の部分には乳液やクリームをつけておくと乾燥が防げます。
目の際にパックがかぶらないようにする
乾燥しやすい目の下を重点的にケアしようとして、コットンで目をおおったり目の際までにパックしたりしてしまうと、粘膜に化粧水が入ってとても痛い思いをすることがあります。目元は特に気を付け、重点的に行う場合は上記で紹介した専用のシートを利用しましょう。
鼻や口をおおわないこと
大判のコットンを使う場合は、必ず呼吸穴を確保しましょう。パック中に乾燥を防ぐ方法として、パックの上からラップやシャワーキャップを顔にかぶせる方法も紹介されていますが、この時はさらに要注意です。そのままの状態で寝てしまい、窒息しかけるという事故が実際におきたそうです。
終わった後はすぐにお手入れを
化粧水パックにはお肌の保湿力を高める役割はありません。ただ単に水分や成分がお肌に染み込んでいる状態なので、その後はすぐに美容液、乳液、クリームなどでフタをして、普段のお手入れを完了させましょう。油性のものを与えてあげないと、せっかくパックした効果が逃げていってしまいます。
化粧水パックのアレンジ
基本の方法をベースに、ちょっとしたアレンジ方法をご紹介します。
蒸しタオルでホットパック
寒くて顔が冷えてしまったときや顔がこっているときには、蒸しタオルと化粧水パックをセットで使う方法もあります。先に蒸しタオルを使いその後化粧水パックをすると、毛穴が開いて浸透しやすく、温冷効果で血流がアップします。
肌を鎮める冷パック
暑さや日焼けで肌がほてっているときは、化粧水パックの上から布で包んで冷たさを調整した保冷剤を優しくあてると、お肌を鎮静させる冷パックになります。ただ、この場合は冷やし過ぎないように、同じ場所に保冷剤をあて続けないように注意しましょう。お肌に化粧水がしみると感じるときにも避けてください。
乾燥がひどいときには、部分的に化粧水を染みこませたコットンでのパックもすすめられていますが、注意したいのは放置時間です。長くお肌の上に置きすぎると、反対にお肌の水分がコットンに奪われてしまいます。5分から長くても10分が限度で、お肌の乾きやすい人ほど短くした方がいいかもしれません。
また、敏感肌の人にはコットンパックがあまり向いていません。化粧水の成分が浸透しすぎることで、かえってお肌が荒れてしまうことがあります。
スペシャル成分をプラス
化粧品成分が単独で買える原液コスメを使い、普段の化粧水に1滴足して、オリジナルなスペシャルパックを行う方法です。原液のシリーズはバラエティショップやネット通販で購入できます。
選べる成分は、保湿成分のセラミド、プラセンタ、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロテオグリカン、フラーレンなどがあります。その日の状態や気分に合わせて選んでみると、楽しさがアップしますね。
私個人的には、セラミドがおすすめです。肌のバリア機能を高める効果が期待できます。
まとめ
化粧水の使い方について紹介しました。付け方に関しては、両者のメリットを生かした付け方をするのがベストと言えます。ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、
- 普段は手を基本にする。
- コットンも準備をしておいて、そのときの状況に応じて使い分ける。
こうすれば、化粧水をより効果的に、自分のお肌に合わせた方法で活用することができると思います。